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カスタムスタイルの概要

enja-bibの真価は、その高いカスタマイズ性にあります。このセクションでは、独自の引用スタイルを作成するための、より詳細な設定方法について解説します。

カスタマイズの基本方針

スタイルのカスタマイズは、主に以下の関数の引数を調整することによって行います。

  • bibliography-list(): 文献リスト全体の挙動を制御します。
  • bib-init(): 本文中での引用のデフォルトの表示形式を定義します。
  • bib-file(): .bibファイルの各エントリが文献リスト上でどのように表示されるかを定義します。

これらの設定は、Typstのスクリプト(.typファイル)内で直接記述できるため、CSLのような外部言語を学ぶ必要はありません。

設定の優先順位

enja-bibでは、設定が複数の場所で競合した場合に備えて、明確な優先順位が定められています。

  1. 各関数呼び出し時の直接の引数: citet(bib-citet: ...) のように、引用関数を呼び出す際に直接渡された引数が最も優先されます。
  2. bib-initでの設定: bib-init(bib-cite: ...) で設定した内容は、個別の関数呼び出しで上書きされない限り、全ての引用に適用されます。
  3. bibliography-listでの設定: 文献リスト全体に影響する設定です。
  4. プリセットスタイル (bib-setting-plainなど): 最も基本的なデフォルトのスタイル設定です。

この階層構造を理解することで、効率的にスタイルを調整できます。例えば、プロジェクト全体ではbib-setting-jsmeを使いつつ、特定の箇所だけ引用形式を変えたい、といった柔軟な対応が可能です。

このセクションで学ぶこと

以降のページでは、具体的なカスタマイズ方法を解説します。

  • 文献フィールドの書式設定: 著者名を「姓, 名」の順にする、タイトルをイタリックにするなど、文献リストの各項目の表示を細かく設定します。
  • 引用スタイルの詳細設定: (著者, 年)[番号]著者 (年) といった引用形式を、括弧の種類や区切り文字に至るまで自由に定義する方法を学びます。